「ステップ2:多読を習慣化させる」では、
幼稚園や小学校入ってから、子どもが英語を話さなくなってきた。
子どもが嫌がって、おうち英語を続けるのが難しくなってきた。
という方のために、
1:英語育児を成功させる「最も確実な方法」。
2:おうち英語で挫折するのを防ぐ「2つの効果的な方法」。
について解説します!
この記事を読むことで、
1:子どもが「幼児期に身につけた英語力」を定着させる方法が分かる。
2:おうち英語で挫折するのを防ぐ「2つの効果的な方法」が分かる。
ようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
元世界一周バックパッカーの理系・共働き夫婦。
TOEIC900超。海外渡航80ヵ国超。絵本所有2000冊超。年間読書数100冊超。
100以上の事例を徹底リサーチして「おうち英語」スタート。開始数ヶ月で発語し、着実にバイリンガルに育ちつつある二人娘と、英語のある生活を楽しんでいます♪
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この記事は「おうち英語の最適解」の「STEP2」です。
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はじめに:なぜ「多読」なのか?
STEP2では、「多読を習慣化させる」方法について解説しますが、このステップが「おうち英語で成功できるかどうかの分岐点」になります。
せっかく続けてきたおうち英語を「子どもの英語」のままで終わらせないために、ここではまず「なぜ多読の習慣化が必要なのか?」について解説します。
「子どもの英語」で終わるか、「本物の英語」になるかの分かれ道があります。
楽しい「子ども英語」はなぜ身につかないの?/松井義明(著)
最初は「英語を聞く力」を育てつつ、それを引き継ぐ形で「英語を英語で読む力」を獲得させる
(・・中略・・)この引き継ぎのプロセスが勝負です。
帰国子女が英語を忘れてしまう理由
みなさんは「帰国子女が日本に帰った後に、英語を忘れてしまった。」という話を聞いたことはありませんか?
帰国子女が英語を忘れる事例は、英語育児関連の書籍でも数多く取り上げられていて、「どれだけ優れた英会話力を身につけていても、周りの環境が変われば失われてしまう」という事が分かります。
ニケ国語を習得し、自由に使いこなしていた子供が、一ヶ国語のみの環境に移ると、またたく間に一方の言語を失ってしまうことはよく知られているが、これも子供の脳の特性と言えるであろう。
子供の脳は学習能力に富み、おどろくほどの吸収力を示すが、同時に吸収したことを忘れるのも得意なのである。
バイリンガル教育の方法/中島和子(著)
しかし、帰国子女の中にも「英語力が失われていない子ども」がいます。
この差は一体どこから来るのでしょうか?
3歳の弟は英語を忘れ、6歳の姉が英語力を伸ばした理由。その答えは、「リーディング」です。お姉ちゃんはアメリカの小学校で「英語のリーディング」を身につけていたのです。
そして帰国後も読書を継続することで、自主学習で英語力を伸ばしていったのです。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
「読み書きの基礎のできていない」子どもと、「読み書きの力が備わって根の深い母語を持つ」子どもとでは問題が異なり、長期的に見て前者は習得したことばの維持が難しいため、バイリンガルには育ちにくいわけである。
バイリンガル教育の方法/中島和子(著)
同じ「帰国子女」といっても、幼稚園児くらいで帰国した場合はどうでしょう。こちらは、あっという間に英語を忘れてしまうものです。しかし、小さいころに帰国しても、英語力を「維持」どころか、さらに「発達」させる子が、少数ですが存在します。
(・・中略・・)それは彼らが例外なく「読書好き」であり、大量の読書をしているということなのです。
楽しい「子ども英語」はなぜ身につかないの?/松井義明(著)
他にも様々な文献で同様の例が取り上げられていますが、いずれの場合も英語を忘れなかった子供たちに共通していたのが、
帰国前に「英語のリーディング力」を身につけていた
という点なのです。
おうち英語にも同じことが当てはまる
実は、帰国子女の例と同じことが「おうち英語」でも起こります。
STEP0でも解説したように、幼児期からおうち英語を始めると、子供は大人が驚くようなスピードで英会話力を身につけていきます。
しかし、この場合も帰国子女の例と同じく「子ども英語」の域を出ておらず、そのまま幼稚園や小学校などに入ると次第に英語を忘れてしまいます。
ですので、おうち英語においても「リーディング力の習得」が成功へのキーポイントになってくるのです。
「英会話力」は、年齢が低い子どもほど苦労なく、短期間で身につけることができます。
しかし、肝心なのは、早期英語教育で培った「会話力」を「学習英語」へとつなげていくことです。
早期英語教育を実践している人の多くがこのことを知らず、小学生になってからも「会話中心」の英語に終始しています。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
「多読」以外の方法はないのか?
ここまで読み進めてみて、次のような疑問を持った方がいらっしゃるかもしれません。
“多読”以外に、英語力を定着させる方法はないの?
もちろん他にも色々と方法はあります。
例えば、「インターナショナルスクールに入る」「海外進学を考えている」など、子どもが成長した後にしっかりとした英語環境を用意できるのであれば問題ありません。
しかし、そのような選択肢を考えていない場合は、前述の「多読」が最も効果的で、かつ現実的な選択肢になってきます。
いずれにしても、本来の目的である「将来、社会に出てからも通用する英語力を身につけられるか?」 を基準に考える必要があります。
英語育児を成功させる「最も確実な方法」
ここまでに解説した通り、日本国内で子どもの英語を定着させるための「最も確実」な方法の一つが「多読の習慣化」です。
そこで、ステップ2では「多読を習慣化させる」ことを目標に、その具体的な方法について解説します。
そして、期待できる成果として、子どもは「生活英語レベル*の英語力を習得」できます。
*生活英語レベル=海外移住で困らないレベル
ステップ2で最優先すること
前述の通り、ステップ2の目標は「多読を習慣化」する事ですが、それを進める上でとても重要なポイントがあるので、それをお伝えしておきます。
それは、
子どもを絵本好きにさせること
です。
“超簡単な本”の多読ができれば、英語教育はほぼ成功!
リーディングフルエンシーは、「簡単で短い本の多読」によって身につけます。
*リーディングフルエンシー=速いスピードで、流暢に英語の本が読める状態。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
とにかく「子どもが読書を楽しいと思える」ことが最優先ですので、はじめは1ページに数単語ぐらいの簡単な本の多読で構いませんので、
子どもに“自分で絵本を読むことの楽しさ”を知ってもらう
これを意識することが、成功への近道になります。
読み聞かせをしてもらったかどうかが、小学校に上がったときの成績と関係があるということがウェルズなどの研究で実証されている(Wells 1985)
バイリンガル教育の方法/中島和子(著)
子どもは読み聞かせを通して実に多くのことを学ぶ。
(中略)子どもがこの時間を楽しみにするようになり、その楽しみを長引かせるために日本語の本でも英語の本でも「もっと読んで!」とせがむようになったらしめたものである。
バイリンガル教育の方法/中島和子(著)
多読の習慣化までの全体の流れ
詳しい解説に入る前に、「多読の習慣化」を達成するまでの全体の流れをまとめておきます。
以下のように、今の「読み聞かせ」をしている状態から、「なぞり読み」を経由して「ひとり読み」を目指し、最終的に「多読の習慣化」まで進みます。
- まずは親が読み聞かせる。
(親が読む or 朗読音声を流しながら一緒にページをめくる。)
- 朗読音声を流してあげて、子どもが自分で文字をなぞりながら読む。
- できれば音読で行う。
- 朗読音声なしに、ひとりで本を読む。
- この場合も「音読推奨」。
- 「黙読」で良いかの判断は、「ORTステージ8を10分程度で音読できる」が目安(*)
*世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
- 本を読む事が毎日の習慣になる。
- 「多読の習慣化」ができたら、あとは「チャプターブックがスラスラと読める」ようになる事を目標に続けます。
*チャプターブック:100ページ程度の本で、章(チャプター)に分かれている。
チャプターブックが読めるようになれば、子どもの英語教育は90%成功です。
そこから先は、チャプターブックの多読を継続していけば、『ハリー・ポッター(最終目標)』に4~5年でたどり着くことができます。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
「ひとり読み」への移行は、おうち英語の中でも時間がかかる部分ですので、焦らず気長に乗り越えたい所です。
子供を多読へ導く「4つのコツ」
ここからは、「多読を習慣化」させるための効果的な方法をいくつか紹介したいと思います。
それが、次の4つです。
- 「なぞり読み」を取り入れる。
- 「音読」を取り入れる。
- 子どもが「楽に読める本」を与え続ける。
- 子どもが「興味のある本」を与え続ける。
1つずつ解説していきます!
コツ1:「なぞり読み」を取り入れる
現時点では、絵本を「読み聞かせ」ている状態かと思いますが、まずは子どもが自分で絵本を読む「ひとり読み」を目指していく必要があります。
その際のコツとして、
“なぞり読み”を意識的に取り入れる
という方法があります。
「なぞり読み」とは・・
音声をマネて音読しながら、該当する文字を指でなぞり、音と文字を一致させます。すると、みるみるうちに子どもは英語の文字が読めるようになります。
英語で一流を育てる/廣津留真
つまり、「読み聞かせ」と「ひとり読み」の間のステップとして「なぞり読み」を入れる事で、より効率的に多読へと導くことができるという事です。
「なぞり読み」をする方法
「なぞり読み」は、文字をなぞりながら読む方法です。
音読しながら行うのが効果的ですが、始めは「流している朗読音声」に合わせながらなぞるだけでも良いと思います。
「なぞり読み」の上手なやり方
- 指で、左から順にスペルを追い、音読しながら読もうとする文字を指し示します。
- ピアノの譜面読みのように、出てくる音の次を目で追います。
- この要領で最後まで進めます。
それと「なぞり読み」をさせる際には一つ注意点があります。
それは、
絵よりも文字に注目してしまい、絵本の絵を楽しむことができなくなる
という点です。
読書の楽しさを十分に知っていたり、大きいお子さんであれば、「なぞり読み」を積極的に活用しても問題ないと思います。
コツ2:「音読」を取り入れる
そしてもう一つ、この段階の子どもの読書力を高めるために、非常に効果的なのが「音読」です。
最終的には「黙読」で構わないのですが、読書力を向上させるのに、口からのアウトプットと耳からのインプットが同時にできる「音読」は非常に効率的です。
子どもの理解力は「耳」から先に発達します。(・・中略・・)子どもが自分で本を読む時も「音読」すると理解が深まるのです。
放っておいて1人で音読をしてくれる子はなかなかいません。「〇〇君が読むの聞きたいな」などと言って、音読するように誘いましょう。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
ですので、もしお子さんが黙読するタイプであれば、さりげなく音読を促してみて、子どもが嫌がる場合は無理にやらせないように注意しましょう。
せっかく軌道に乗ったおうち英語のリズムを崩さないことが先決です。
わが家の長女も「黙読」がメインですが、無理に促すことはしていません。
「黙読」でOKかどうかの判断の目安は、次を参考にしておくと良いと思います。
Oxford Reading Treeの「ステージ8」(単語数900~1000語)を10分程度で「音読」できることが目安です。
このレベルを達成したら「黙読」で多読を継続してください。
コツ3:子どもが「楽に読める」本を与え続ける
STEP1でも解説した通り、「楽に読める本」を与え続けるというのは、「読み聞かせ」をしている頃から一貫して行う必要があります。
ですが、「ひとり読み」が始まってからは親が一緒に読まなくなるので、子どもの英語レベルと絵本のレベルとのズレが出やすくなります。
ですので、「ひとり読み」の時期は特に注意してフォローする必要があります。
コツ4:子どもが「興味のある本」を与え続ける
同様にSTEP1で解説した、「子どもが興味のある本を与え続ける」というポイントもしっかり継続する必要があります。
「多読を習慣化」するには、絵本を継続して与える事が必須条件になりますので、絵本を選び続けるのが難しい場合は多少お金がかかっても「グレーデッドリーダー」などをフル活用するのが良いと思います。
親の仕事は、子どもの興味や関心、そして子供の読書レベルに合った本を見つけ、与え続けることです。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
「子供の目につくところに絵本をディスプレイ」したり、「最近読んでいなかった少しレベルの低い本を机の上に出しておく」、といった方法も効果大です!
「絵本以外」のおうち英語の進め方
ここまでは「多読の習慣化(=英語絵本の取り組み方)」について解説してきましたが、ここからは「絵本」以外の取り組みについて解説します。
- かけ流し:
- STEP1と同様のやり方で進める。
- 動画:
- STEP1と同様のやり方で進める。
- 単語カード:
- 「かけ流し」で音のインプットが十分できていれば始める。
- 目安としては、おうち英語開始から半年〜1年程度。
- 詳しい進め方はこの下で解説します。
- オンライン英会話:
- 英語に慣れてきたら始める。
- 年齢や性格によって始めるのに適したタイミングに個人差があるので、「無料お試し」などを利用して開始タイミングを見極める。
「単語カード」の進め方
まず、STEP1でも解説した通り、「単語カード」はアプリやカードリーダーの利用を推奨します。
(もちろん余力があれば親が読み上げる方法で実施して問題ありません。)
ただし、単語カードは「音のインプット」がある程度できた状態で行た方が効果的です。
2年間のかけ流しで「仮語彙」が蓄積されていく、と考えておけばよいでしょう。
ただ、最初の2年間、全てが仮語彙のままではありません。
(単語カードなどで)音声の入力に併せて、視覚からも入力することで、「仮語彙」を「語彙化」することができます。
ですので、おうち英語スタート時に余裕を持たせる意味でも、「おうちに少し慣れてきてから(目安としては2年目以降)」始める事をオススメします。
オススメの単語カード
わが家では↓↓の3つのセットを使ってます。
分かりやすいイラストで日常生活で使う基本的な名詞や動詞を覚えることができるのでオススメです!
こちらが動詞のカードがセットになった「Action words」
こちらが名詞のカードがセットになった「Picture words」
こちらが名詞カードの追加版「More Picture words」です。
カードを張り替える頻度については、「音のインプットができていれば、子どもは数回見ただけで覚えてしまいます」ので、わが家は数週間で張り替えるようにしています。
我が家は↓↓の「はってはがせる粘着ゴム」を長年愛用しています。
オススメの「アプリ」や「カードリーダー」
「カードリーダーが付属している英語教材」を活用するというのも一つです。
カードリーダーやアプリのオススメは順次追加予定ですので、SNSや他のブログを参考に選んでみて下さい。
オンライン英会話の進め方
そして、この時期からは「オンライン英会話」を活用すると、効率的に英語習得を進める事ができます。
オンライン英会話には様々な種類がありますので、選択肢が多くて選ぶのが大変ではありますが、子どもがやる気になってくれていればぜひ試してみることをオススメします。
乳幼児期のかけ流しに加えてもう一つ、英語習得の時間を短縮する方法があります。それが、コミュニケーション力です。
(・・中略・・)生の英語に触れる機会を増やすこで、世界に意識が向くようになります。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
英語育児で挫折するのを防ぐ「2つの効果的な方法」
ここまでに解説してきた「多読の習慣化」までには、数ヶ月〜数年という時間がかかります。
さらに、英語育児には「4歳の壁」、「小学校の壁」、「9歳の壁」などと呼ばれるハードルが存在しますが、この「ステップ2:多読の習慣化」の途中でその壁を乗り越えなければならないケースも多くなります。
このような理由から、この時期に途中でおうち英語の継続を断念する家庭も増えてきます。
そこで「ステップ2」の最後に、「おうち英語で挫折するのを防ぐ、2つの効果的な方法」について解説します。
子どもの成長を見える化する
「おうち英語で挫折するのを防ぐ」もう一つのコツは、「子どもの成長を見える化」して親のモチベーションを維持することです。
おうち英語を続けていると、「子どもの英語力がどこまで身についているのか分からず、モヤモヤする時期」を必ず経験します。
サイレントピリオド(沈黙の期間)という言葉があります。しかし「黙っている」といっても、何もしていないわけではありません。外からは見えませんが、頭の中では猛烈な勢いで情報の整理と蓄積が行われているものです。
楽しい「子ども英語」はなぜ身につかないの?/松井義明(著)
焦らないでしばらく、読み聞かせをしてみてください。そのうち、キリがないほど「自分が言いたいこと」をペラペラと話すようになるものです。
そんな時は「焦らず待つ」というのが鉄則ですが、「子どもの成長を見える化」する方法がいくつかありますので、紹介しておきます。
- 「読書スピード」を目安にする
- 「課題図書」を設定する
- 「検定試験」を受験する。
特に1番目の「読書スピード」を確認すれば、子どもに気づかれずにこっそり成長を確認する事ができてオススメです。
逆に「検定試験」の受験は、子どもに与える影響が大きいですので注意が必要です。
1.「読書スピード」を目安にする
「子どもの成長を見える化」するもう一つの方法は、「読書スピードを目安にする」という方法です。
以下が読書スピードの目安ですので、これをマイルストーンとして設定することができます。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
- 音読で60単語/分、黙読で80〜125語程度
(ネイティブの小学1年生レベル)- 音読で100単語/分、黙読で115〜150語程度
(ネイティブの小学2年生レベル)- 音読で112単語/分、黙読で138〜180語程度
(ネイティブの小学3年生レベル)- 音読で133単語/分、黙読で158〜220語程度
(ネイティブの小学4年生レベル)
子どもが「音読」をしている時に横から見て、読んだページ数と時間をこっそり測っておくことで確認できます。
また、「多読」の最終的な目標として以下を目安に考えておくと、おうち英語のゴールまで見通しが立てやすくなります。
- 音読で110-130単語/分、黙読で158〜220語程度。
- (ネイティブの小学3, 4年レベル)
- Oxford Reeding Treeのステージ8(単語数900〜1000語)を10分程度で音読できる。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
2.「課題図書」を設定する
その他の方法としては、「課題図書」を決めてマイルストーンにするというのも手です。
例えば、次のように「英検の級に対応するレベルの絵本」を読めているか確認するという方法です。
楽しい「子ども英語」はなぜ身につかないの?/松井義明(著)
- 3級レベル:Ricky Ricotta’s Mighty Robot [By Dav Pilkey]
- 準2級レベル:Magic Tree House: Dinosaurs Before Dark [By Mary Pope Osborne]
こちらの本に、英検のレベルに対応した詳しい絵本リストが掲載されていますので、参考にしてみてください。
「読書スピード」を確認する方法も同じですが、この方法であれば「子どもにストレスをかけることなく」レベルを確認することができます。
他にも、「ハリーポッターの原書を読めるようになる!」など、特定の本を多読の最終ゴールに設定しているご家庭も多いです。
3.検定試験を受験する
また、「英検などの資格取得」を目標にするのも一つの方法です。
私たちが調べた100以上の事例の中にも、未就学児や小学生で英検を受験している例は多くありますので、各家庭の教育方針に従って受験しても問題ないと思います。
ただ、受験前後の子どものモチベーション管理をしっかりしておかないと、その後の英語育児に支障が出るリスクが比較的高いので、この段階での受験はあまりオススメできません。
理由は2つあって、
- 試験合格が目的化し、「将来使える英語力を習得する」という本来の目的を、親が見失ってしまうリスクがある。
- 最低限の試験対策はする必要があるので、子供が英語を楽しくないと感じて、英語離れが起こるリスクがある。
という2点です。
英検にも上手な使い方、残念な使い方があります。特に気をつけたいのが「ちょっとでも早く◎級に」という、いわばスピード・シンドロームです。
英検のような到達型試験の場合、試験に受かることばかりに目がいって(・・中略・・)当たり前のことが、見失われがちになります
楽しい「子ども英語」はなぜ身につかないの?/松井義明(著)
もし受験する場合は、以下の点に特に注意が必要です。
英検を受けさせるのは小学生からが良いでしょう。
英語の資格試験も学校のテストと同じ感覚で受験することができます。初めて子どもに英検を受験させる場合、また就学前の子どもに英検を受験させる場合は「合格することが大前提」です。
就学前の子どもにとって英語は「遊びの延長」であることが理想です。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
テストのための英語になると、英語学習が楽しくなくなる(ことがある)ので注意してください。
また、友達の影響などで子供自身が「受けたい」と言い出した場合は、本人の気持ちを尊重して受けさせた方が良いでしょう。
英検などの受験に関しては、次のSTEP3で詳しく解説します!
子どものやる気を奪う「NG行動」をしない
おうち英語では、「子どもが英語に触れたくなる環境づくり」が親の最大にして唯一の役割です。
ですが、逆に子どもがやる気をなくしてしまう「NG行動」もありますので、この時期は特に注意しておく必要があります。
こちらの記事に「おうち英語のNG行動」をまとめていますので、この機会にチェックしてみてください。
おわりに:「多読の習慣化」ができれば、英語育児は90%成功?!
「ステップ2:多読の習慣化」ができれば、おうち英語のゴールはすぐそこです。
「多読が習慣化」すると子どもの読書レベルどんどん上がっていき、STEP1で解説した「ゴール2:海外移住で困らない [生活英語]」に比較的短期間で到達します。
あとは前述の「チャプターブックをスラスラ読める状態」を目指しつつ、次のSTEP3で「学習英語」への移行を行なっていくだけです。
チャプターブックが読めるようになれば、子どもの英語教育は90%成功です。そこから先は、チャプターブックの多読を継続していけば、『ハリー・ポッター(最終目標)』に4~5年でたどり着くことができます。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
STEP3へ進む
これで、「STEP2:多読を習慣化させる」の解説はおしまいです。
- 「幼児期の英語力」を失わない為には、「リーディング力の習得」が必要。
- 「リーディング力の習得」には、「多読」が確実で効率も良い。
- 「多読の習慣化」の際に最優先するのは、「子どもを絵本好きにさせること」
- 「多読の習慣化」は、「読み聞かせ→なぞり読み→ひとり読み→多読」の順で行うと効率的。
- 但し、なぞり読みは「絵を楽しむ余地」を奪いかねないので注意が必要。
- 「多読の習慣化」には時間がかかるので、その間に挫折しないような工夫が必要。
- 子どもの「成長を見える化」してモチベーションを保つ
- 子どもを英語嫌いにするNG行動をしない。
この記事を読んで「多読の習慣化ができた!」という方は、最後のSTEP3へ進んでみてください。