この記事では、
子どもが小学校高学年〜中学生になり、英語教育を始めようか迷っている。
おうち英語が気になるけど、始めるのが遅すぎないか心配。
など、
小学校高学年から始めるおうち英語について知りたいという方のために、
- 小学生高学年から始める、おうち英語の特徴と注意点。
- 小学生高学年から始める、おうち英語の進め方とロードマップ。
- おうち英語で挫折するのを防ぐ、2つの効果的な方法
について、できるだけシンプルに分かりやすく解説していきます。

元世界一周バックパッカーのTOEIC900越え夫婦。
絵本所有2000冊超。年間読書数100冊超。海外渡航80ヵ国超。
100以上の事例を徹底リサーチして「おうち英語」スタート。開始数ヶ月で発語し、着実にバイリンガルに育ちつつある二人娘と、英語のある生活を楽しんでいます♪
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小学生高学年〜中学生のおうち英語の特徴と注意点

10歳、11歳、もしくはそれ以降から始めるおうち英語には、次のような特徴があります。
- 「かけ流し」の効果が期待できない。
- 英語に対する心理的なハードルが明確にあらわれる。
- 英語の構造を論理的に理解したり、体系的に単語を覚えたりできる。
- 「日本語を介した英語学習」が効果的になってくる。
- オンライン英会話やアプリなどを活用しやすい。

このように、小学生高学年からは、おうち英語の進め方を大きく変える必要が出てきます。
1:小学生以降は「かけ流し」の効果が期待できない


幼児期のおうち英語では、英語の「かけ流し」によるインプットによって、子どもが英語の音やリズムを自ら身につけてくれました。
しかし、小学生以降ではそんな「かけ流し」というおうち英語における強力なツールが活用しにくくなってきます。
英語のかけ流し(聞き流し)の効果があるのは、言語吸収力が著しい「乳幼児期だけ」なのです。小学生以上の子どもには通用しませんのでご注意ください。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)



このように、小学生からの「かけ流し」は効果が小さいですので、アニメの歌など子どもが楽しめるものを、子どもが嫌がらない範囲で流しておくだけで良いと思います。


つまり、かなの学習が進むことで、小学校1年の冬には、英語を素直に聞き取るのではなく、日本語の「五十音」の知識で聞き取ろうとするようになるのです。このあたりから英語の聞き取りは決定的に苦手になります。
子どもの英語「超効率」勉強法/船津洋(著)



その分、小学生からは文字を使った学習ができるようになってきますので、各年齢の子供の特性を活かして進める事が大事です。
2:英語に対する心理的なハードルが明確にあらわれる


小学校高学年から中学生くらいになると、心理的なハードルがあらわれます。キッズクラスの生徒たちは、こちらが何か質問をすると同時に「Yesl」「Me! Me!!」と一斉に手を挙げますが、小学校高学年~中学生のクラスになると、途端にシャイな子が増えます。
ほんとうに頭が良くなる「世界最高の子ども英語」/斉藤淳(著)



上記のように、この年代からは英語に対する抵抗感が非常に大きくなりますので、おうち英語を始めるハードルも高くなります。
3:英語の構造を論理的に理解したり、体系的に単語を覚えたりできる


この年代で英語学習を始めるメリットは、英語の構造を論理的に理解したり、体系的に単語を覚えたりできる点です。



この年代になっても、読み書きはもちろん、リスニング力やスピーキング力も十分に伸ばすことができます。
4:「日本語を介した英語学習」が効果的になってくる


小学生までは、原則、英語はすべて英語で教える。中学生からは、基本単語や文法は日本語で教え、「リーディング」は直接法*で教える。
これがベストな指導法であると私は考えています。
*直接法:英語を日本語に変換せずに、英語のまま理解する方法
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
小学校高学年から中学生以降になってくると、日本語を使って英語を勉強する方法が効果的になってきます。



文法などを日本語で体系的に理解することができるのが、この年代のメリットです。
5:オンライン英会話やアプリなどを活用しやすい


この時期からおうち英語を始める子こどもには、スマホやタブレットなどの英語学習アプリも効果的です。
また、この年代は落ち着いて話を聞けるようになってきますので、オンライン英会話やオンラインスクールの活用もオススメです。
オススメのオンラインスクール


OutSchool(アウトスクール)
わが家もよく利用している「英語で」授業が受けられるオンラインサービス。
色々なクラスがあって、わが家の場合は子どもが好きな「恐竜」や「アート」などがテーマのクラスに参加しています。
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登録方法はこちらの記事で解説しています。


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【小学生高学年〜中学生スタート】おうち英語の進め方とロードマップ


おうち英語の全体像をイメージするために、まずはおうち英語のロードマップを見てみて下さい。
こちらが、小学生以降におうち英語を始めた場合のロードマップです。


このロードマップを見ると、
- 「かけ流し」「絵本」「動画」を同時にスタート。
- おうち英語開始1〜2年後に「アウトプット」の練習を始める。
- 学習英語(教材やワークブック)も適宜行う。
という全体の流れが分かるかと思います。
ただ、前述の通り「かけ流し」の効果はそれほど期待できないので、余裕が無ければ「あえてやらない」というのも十分に合理的な選択になってきます。


小学高学年〜スタートの「進め方のコツ」


おうち英語の全体的な流れが分かってきたところで、ここからは「具体的に何をやれば良いのか?」について解説していきます。
1:子どもが楽しめる方法を見つける


小学生からおうち英語を始めると、子どもは小さくない抵抗感を感じます。
(授業で英語が始まっている場合でも、おうち英語とのギャップに戸惑う。)
そこで、まず重要になってくるのが、「いかにして子供のモチベーションを維持するのか」を考えることです。


下の記事にも書いていますが、英語を習得するには「2200時間という学習時間が必要」になってきます。
その点で、「小学生スタート」の場合は「幼児期スタート」と比べて持ち時間が少ないですので、途中で中断してしまうと成功への道が大きく遠のいてしまいます。
小学生になると、英語学習に対するモチベーションをいかに維持できるかが学習成果を左右します。小学生以上の子どもは好き嫌いがはっきりしてくるので、興味や関心に合った教材やメディアを親が上手に選択することが肝心です。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)


このように小学生スタートのおうち英語はデメリットがありますが、逆に幼少期スタートと比べた時にメリットとなるポイント多くあります。
例えば、年齢が小さいときに比べて「英語のアプリ」や「ゲーム」を与えやすいですし、「オンラインレッスン」も長時間座って受講することができるようになっています。


そこで、子どもが熱中しやすい「アプリで読書や単語を覚える」、「オンラインレッスンで先生と一緒にゲームをする」など、おうち英語にさまざまなアレンジを加えて「子供のモチベーション維持」をはかる事ができます。
また、「アプリ」や「オンラインレッスン」は、ロードマップ上の「絵本」「動画」「アウトプット」の代わりにも使う事ができるので、フル活用することで「できるだけ親も子供もストレスのない方法」で進めたい所です。
2:「リーディング」中心のおうち英語にする


先ほど紹介した「アプリ」や「オンラインレッスン」で子どものモチベーションを維持させつつ、小学生からのおうち英語のメインに据えるべき事があります。
それが、「本の多読を習慣化すること」です。
楽しい「子ども英語」はなぜ身につかないの?/松井義明(著)
「子どもの英語」で終わるか、「本物の英語」になるか、の分かれ道があります。
最初は「英語を聞く力」を育てつつ、それを引き継ぐ形で「英語を英語で読む力」を獲得させる
(・・中略・・)この引き継ぎのプロセスが勝負です。
このように、小学生以降にインターナショナルスクールに入れる場合や、海外に移住するようなケースで無い限り、「絵本の多読を習慣化する」事が成功への近道になってきます。(幼児期からおうち英語を始めた場合も同様)



「本の多読」と言っても、「日本のマンガの英語版」や「ハリーポッターなどの人気作品」など、子どもがハマりそうものなら何でもOKです。
詳しい進め方は下の記事で解説していますので、そちらを参照しながら進めてみて下さい。







リーディングの進め方については、こちらの本も参考にしてみてください。わが家のバイブルです!
3:必要に応じて「学習英語」も活用する


最後にもう一つ、小学生になってから実施できるようになるのが「学習英語の活用」です。
これは「いわゆるお勉強としての英語」の事で、例えば「公文式」や「Z会」のような英語教材や、ワークブックなどです。


前述の通り、「小学生の間は直接法(英語で英語を教える)でOK」ですので、日本語ベースとなる「学習英語」はセオリーからは少し外れてきます。
ただ、お子さんの性格によっては「学習英語」の方が取り組みやすい場合もあると思いますので、この記事の冒頭でも解説した「子供のモチベーション維持」を優先して、導入を検討してみて下さい。
小学生からの英語学習に活用できる教材


Z会の英語講座「Asteria」
小学高学年からが対象の英語講座ですが、対象年齢以下でもレベルを選んで始める事ができます。
「英語の4技能」をバランスよく学べ、英検準1級レベルまでの英語を、学年に関係なく進めることができますので、検討してみて下さい。
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おうち英語の「具体的な進め方」


ここまでで解説したように、小学高学年以降のおうち英語は「アプリ」や「オンラインレッスン」、「学習英語」を、家庭に合わせて組み合わせるのが成功のコツです。
「かけ流し」や「読み聞かせ」、「動画」のみせ方など、おうち英語の基本的な進め方については次の記事を参照しながら進めてみてください!


英語育児で挫折するのを防ぐ「2つの効果的な方法」


ここまでに解説してきた「多読の習慣化」までには、数ヶ月〜数年という時間がかかります。
さらに、英語育児には「4歳の壁」、「小学校の壁」、「9歳の壁」などと呼ばれるハードルが存在しますが、この「ステップ2:多読の習慣化」の途中でその壁を乗り越えなければならないケースも多くなります。


このような理由から、この時期に途中でおうち英語の継続を断念する家庭も増えてきます。
そこで「ステップ2」の最後に、「おうち英語で挫折するのを防ぐ、2つの効果的な方法」について解説します。
子どもの成長を見える化する


「おうち英語で挫折するのを防ぐ」もう一つのコツは、「子どもの成長を見える化」して親のモチベーションを維持することです。
おうち英語を続けていると、「子どもの英語力がどこまで身についているのか分からず、モヤモヤする時期」を必ず経験します。
サイレントピリオド(沈黙の期間)という言葉があります。しかし「黙っている」といっても、何もしていないわけではありません。外からは見えませんが、頭の中では猛烈な勢いで情報の整理と蓄積が行われているものです。
楽しい「子ども英語」はなぜ身につかないの?/松井義明(著)
焦らないでしばらく、読み聞かせをしてみてください。そのうち、キリがないほど「自分が言いたいこと」をペラペラと話すようになるものです。
そんな時は「焦らず待つ」というのが鉄則ですが、「子どもの成長を見える化」する方法がいくつかありますので、紹介しておきます。
- 「読書スピード」を目安にする
- 「課題図書」を設定する
- 「検定試験」を受験する。
特に1番目の「読書スピード」を確認すれば、子どもに気づかれずにこっそり成長を確認する事ができてオススメです。



逆に「検定試験」の受験は、子どもに与える影響が大きいですので注意が必要です。
1.「読書スピード」を目安にする


「子どもの成長を見える化」するもう一つの方法は、「読書スピードを目安にする」という方法です。
以下が読書スピードの目安ですので、これをマイルストーンとして設定することができます。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
- 音読で60単語/分、黙読で80〜125語程度
(ネイティブの小学1年生レベル)- 音読で100単語/分、黙読で115〜150語程度
(ネイティブの小学2年生レベル)- 音読で112単語/分、黙読で138〜180語程度
(ネイティブの小学3年生レベル)- 音読で133単語/分、黙読で158〜220語程度
(ネイティブの小学4年生レベル)



子どもが「音読」をしている時に横から見て、読んだページ数と時間をこっそり測っておくことで確認できます。
また、「多読」の最終的な目標として以下を目安に考えておくと、おうち英語のゴールまで見通しが立てやすくなります。
- 音読で110-130単語/分、黙読で158〜220語程度。
- (ネイティブの小学3, 4年レベル)
- Oxford Reeding Treeのステージ8(単語数900〜1000語)を10分程度で音読できる。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
2.「課題図書」を設定する


その他の方法としては、「課題図書」を決めてマイルストーンにするというのも手です。
例えば、次のように「英検の級に対応するレベルの絵本」を読めているか確認するという方法です。
楽しい「子ども英語」はなぜ身につかないの?/松井義明(著)
- 3級レベル:Ricky Ricotta’s Mighty Robot [By Dav Pilkey]
- 準2級レベル:Magic Tree House: Dinosaurs Before Dark [By Mary Pope Osborne]



こちらの本に、英検のレベルに対応した詳しい絵本リストが掲載されていますので、参考にしてみてください。
「読書スピード」を確認する方法も同じですが、この方法であれば「子どもにストレスをかけることなく」レベルを確認することができます。



他にも、「ハリーポッターの原書を読めるようになる!」など、特定の本を多読の最終ゴールに設定しているご家庭も多いです。
3.検定試験を受験する


また、「英検などの資格取得」を目標にするのも一つの方法です。
私たちが調べた100以上の事例の中にも、未就学児や小学生で英検を受験している例は多くありますので、各家庭の教育方針に従って受験しても問題ないと思います。


ただ、受験前後の子どものモチベーション管理をしっかりしておかないと、その後の英語育児に支障が出るリスクが比較的高いので、この段階での受験はあまりオススメできません。
理由は2つあって、
- 試験合格が目的化し、「将来使える英語力を習得する」という本来の目的を、親が見失ってしまうリスクがある。
- 最低限の試験対策はする必要があるので、子供が英語を楽しくないと感じて、英語離れが起こるリスクがある。
という2点です。
英検にも上手な使い方、残念な使い方があります。特に気をつけたいのが「ちょっとでも早く◎級に」という、いわばスピード・シンドロームです。
英検のような到達型試験の場合、試験に受かることばかりに目がいって(・・中略・・)当たり前のことが、見失われがちになります
楽しい「子ども英語」はなぜ身につかないの?/松井義明(著)





もし受験する場合は、以下の点に特に注意が必要です。
英検を受けさせるのは小学生からが良いでしょう。
英語の資格試験も学校のテストと同じ感覚で受験することができます。初めて子どもに英検を受験させる場合、また就学前の子どもに英検を受験させる場合は「合格することが大前提」です。
就学前の子どもにとって英語は「遊びの延長」であることが理想です。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)
テストのための英語になると、英語学習が楽しくなくなる(ことがある)ので注意してください。
また、友達の影響などで子供自身が「受けたい」と言い出した場合は、本人の気持ちを尊重して受けさせた方が良いでしょう。



英検などの受験に関しては、次のSTEP3で詳しく解説します!
子どものやる気を奪う「NG行動」をしない


おうち英語では、「子どもが英語に触れたくなる環境づくり」が親の最大にして唯一の役割です。
ですが、逆に子どもがやる気をなくしてしまう「NG行動」もありますので、この時期は特に注意しておく必要があります。



こちらの記事に「おうち英語のNG行動」をまとめていますので、この機会にチェックしてみてください。

