最近なにかと話題の「おうち英語」ですが、「小学生になっても効果があるのか?」って気になりますよね。
私たちも「小学生以降の英語育児」について色々と調べていますが、意外と情報が少なくて困ることも多いです。
そこで、この記事では、
・小学校に入学後の英語教育をどうしようか迷っている。
・おうち英語が気になるけど、小学生から始めるのは遅すぎないか心配。
など、
小学生以降に始めるおうち英語について知りたいという方のために、
- 小学生以降のおうち英語の特徴と注意点。
- 小学生以降のおうち英語の進め方とロードマップ。
- おうち英語で挫折するのを防ぐ、2つの効果的な方法
について、できるだけシンプルに分かりやすく解説していきます。

元世界一周バックパッカーのTOEIC900越え夫婦。
絵本所有2000冊超。年間読書数100冊超。海外渡航80ヵ国超。
100以上の事例を徹底リサーチして「おうち英語」スタート。開始数ヶ月で発語し、今ではチャプターブックを手に取るように。二人とも着実にバイリンガルに育ちつつあります。

はじめに

この記事では「7〜9歳から始める」おうち英語の進め方とロードマップについて解説します。
この記事で解説するのは少し発展的な内容になるので、「おうち英語の進め方の基本」が知りたい方は、まずこちらの記事をご一読されることをオススメします。

7〜9歳から始めるおうち英語

7〜9歳から始める場合の特徴と注意点

まず「小学生以降に始めるおうち英語」は、他の年齢から始めるのと何が違ってくるのか?について考えますが、
大きく次の4つが挙げられます。
- 小学生以降は「かけ流し」の効果が期待できない。
- 小学生の間はこれまで同様に、直接法*で英語を教えてOK。
- 宿題や習い事などで、おうち英語に使える時間が少なくなる。
- しっかり話を聞いて学習する事ができるので、オンライン英会話やアプリなどで体系的に英語を学ぶ事ができる。
*直接法:英語を日本語に変換せずに、英語のままインプットする方法
小学生から英語学習を始める子には、幼児期とは異なるアプローチが必要です。
小学生の英語学習においては、かけ流しからの「入力」が困難になっているデメリットがある一方で、文字を使った学習ができるようになっているというメリットがあります。
子どもの英語「超効率」勉強法/船津洋(著)

このように、小学生になると、幼児期とは少し進め方を変える必要が出てきます。
そしてもうひとつ、始めに書いておきたいのは「小学生からおうち英語を始めても遅くない」という事です。
下の記事にもありますが、私たちはおうち英語を始めるにあったって100以上の事例をリサーチしましたが、小学生以降スタートで成功している事例も多くあります。


1:小学生以降は「かけ流し」の効果が期待できない


幼児期のおうち英語では、英語の「かけ流し」によるインプットによって、子どもが英語の音やリズムを自ら身につけてくれました。
しかし、小学生以降ではそんな「かけ流し」というおうち英語における強力なツールが活用しにくくなってきます。
英語のかけ流し(聞き流し)の効果があるのは、言語吸収力が著しい「乳幼児期だけ」なのです。
小学生以上の子どもには通用しませんのでご注意ください。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)


かなの学習が進むことで、小学校1年の冬には、英語を素直に聞き取るのではなく、日本語の「五十音」の知識で聞き取ろうとするようになるのです。
このあたりから英語の聞き取りは決定的に苦手になります。
子どもの英語「超効率」勉強法/船津洋(著)



その分、小学生からは文字を使った学習ができるようになってきますので、各年齢の子供の特性を活かして進める事が大事です。
2:小学生の間は直接法で英語を教えてOK


小学生になると日本語の学習が始まりますが、小学生になってからも、幼児期と同様に「英語は英語のまま覚える」というスタイルでおうち英語を進めてOKです。
小学生までは、原則、英語はすべて英語で教える。
中学生からは、基本単語や文法は日本語で教え、「リーディング」は直接法*で教える。
これがベストな指導法であると私は考えています。
*直接法:英語を日本語に変換せずに、英語のまま理解する方法
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)



小学生の間も直接法で英語を習得できますので、始めるのに遅くはありません。
3:宿題や習い事などで、おうち英語に使える時間が少なくなる


小学生になると「おうち英語に使える時間」が激減します。
この時期に親が無理におうち英語を頑張ろうとすると、環境の変化に適応している最中の子どもにとって大きなストレスになってしまうので注意が必要です。
この時期をうまく乗り切るには「細く長く」の精神が必要です。
それまでと同じペースで英語学習を継続しようとすると、学校の勉強や習い事との兼ね合いがうまくいかず、子どもがストレスを抱えるようになります。
小学低学年時代は英語学習を無理強いせず、毎日少しだけでいいので「英語に触れる習慣」を作ることを心がけてください。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)



「1冊だけでもいいので英語の本を読む」、「英語のアニメを1話だけ観る」など、小学校低学年の間は少しでも良いので毎日続ける事が大切です。
4:オンライン英会話やアプリなどで体系的に英語を学ぶ事ができる


この時期からおうち英語を始める子こどもには、スマホやタブレットなどの英語学習アプリも効果的です。
また、この年代は落ち着いて話を聞けるようになってきますので、オンライン英会話やオンラインスクールの活用もオススメです。




【小学生以降スタート】おうち英語の進め方とロードマップ


次に7〜9歳でおうち英語を始めた場合のロードマップを見てみます。
かなり一般化したものですが、おうち英語の全体像がイメージできるかと思います。


このロードマップを見ると、
- 「かけ流し」「絵本」「動画」を同時にスタート。
- おうち英語開始1〜2年後に「アウトプット」の練習を始める。
- 学習英語(教材やワークブック)も適宜行う。
という全体の流れが分かるかと思います。
ただ、前述の通り「かけ流し」の効果はそれほど期待できないので、余裕が無ければ「あえてやらない」というのも十分に合理的な選択になってきます。


小学生スタートの「進め方のコツ」


おうち英語の全体的な流れが分かってきたところで、ここからは「具体的に何をやれば良いのか?」について解説していきます。
1:子どもが楽しめる方法を見つける


小学生からおうち英語を始める場合、子どもが英語に対する抵抗感を感じる場合がほとんどです。
(学校の授業で英語を習っていても、おうち英語とのギャップに戸惑う。)
そこで、まず重要になってくるのが、「いかにして子供のモチベーションを維持するのか」を考えることです。


下の記事にも書いていますが、英語を習得するには「2200時間という学習時間が必要」になってきます。
その点で、「小学生スタート」の場合は「幼児期スタート」と比べて持ち時間が少ないですので、途中で中断してしまうと成功への道が大きく遠のいてしまいます。
小学生になると、英語学習に対するモチベーションをいかに維持できるかが学習成果を左右します。小学生以上の子どもは好き嫌いがはっきりしてくるので、興味や関心に合った教材やメディアを親が上手に選択することが肝心です。
世界で活躍する子の英語力の育て方/船津徹(著)


このように小学生スタートのおうち英語はデメリットがありますが、逆に幼少期スタートと比べた時にメリットとなるポイントも多くあります。
例えば、年齢が小さい子供に比べて「英語のアプリ」や「ゲーム」は与えやすいですし、「オンラインレッスン」も長時間座って受講することができるようになっています。


そこで、子どもが熱中しやすい「アプリで読書や単語を覚える」、「オンラインレッスンで先生と一緒にゲームをする」など、おうち英語にさまざまなアレンジを加えて「子供のモチベーション維持」をはかる事ができます。
また、「アプリ」や「オンラインレッスン」は、ロードマップ上の「絵本」「動画」「アウトプット」の代わりにも使う事ができるので、フル活用することで「できるだけ親も子供もストレスのない方法」で進めたい所です。
2:「リーディング」中心のおうち英語にする


小学生からのおうち英語では、先ほど紹介した「アプリ」や「オンライン英会話」とは別に、メインに据えるべきポイントがあります。
それが、「英語絵本の多読」です。
「子どもの英語」で終わるか、「本物の英語」になるか、の分かれ道があります。
楽しい「子ども英語」はなぜ身につかないの?/松井義明(著)
最初は「英語を聞く力」を育てつつ、それを引き継ぐ形で「英語を英語で読む力」を獲得させる
(・・中略・・)この引き継ぎのプロセスが勝負です。
インターナショナルスクールに入れる場合や、海外移住するようなケースで無い限り、「英語絵本の多読を取り入れる」ことが成功への近道になってきます。(幼児期からおうち英語を始めた場合も同様)



「本の多読」と言っても、「日本のマンガの英語版」や「ハリーポッターなどの人気作品」など、子どもがハマりそうものなら何でもOKです。
詳しい進め方は下の記事で解説していますので、そちらを参照しながら進めてみて下さい。







リーディングの進め方については、こちらの本も参考にしてみてください。わが家のバイブルです!
3:必要に応じて「日本語ベースの学習」も活用する


最後にもう一つ、小学生になってから活用できるのが、「公文式」や「Z会」のような英語教材や、ワークブックなど、いわゆる「お勉強としての英語」です。
幼児期の間は難しいですが、学校での勉強に慣れている小学生にとっては進めやすいツールになります。


ただ、前述の通り「小学生の間は直接法でOK(英語で英語を教える)」ですので、「お勉強としての英語」だと日本語で英語を学習することになってしまいます。
ですが、お子さんの性格によっては「学習英語」の方が取り組みやすい場合もあると思いますので、あくまで「子供のモチベーション維持」を優先して、導入を検討してみて下さい。
おうち英語の「具体的な進め方」


ここまでで解説したように、小学生以降のおうち英語は「アプリ」や「オンラインレッスン」、「日本語ベースの学習」を、家庭に合わせて組み合わせるのが成功のコツです。
「かけ流し」や「読み聞かせ」、「動画」のみせ方など、おうち英語の基本的な進め方については次の記事を参照しながら進めてみてください!


英語育児で挫折するのを防ぐ「2つの効果的な方法」


ここまでの解説からもわかるように、「英語を習得する」までには、数ヶ月〜数年という時間がかかります。
さらに、英語育児には「4歳の壁」、「小学校の壁」、「9歳の壁」などと呼ばれるハードルが存在しますが、「多読の習慣化」の途中でその壁を乗り越えなければならないケースも多くなります。


このような理由から、この時期に途中でおうち英語の継続を断念する家庭も増えてきます。
そこで最後に、「おうち英語で挫折するのを防ぐ、2つの効果的な方法」について解説します。
子どもの成長を見える化する


「おうち英語で挫折するのを防ぐ」一つ目のコツは、「子どもの成長を見える化」して親のモチベーションを維持することです。
以下の記事に「家庭内で子どもの英語力を確認する方法」をまとめてみましたので、5つの中から実践できそうなものを選んで試してみてください。


子どものやる気を奪う「NG行動」をしない


おうち英語では、「子どもが英語に触れたくなる環境づくり」が親の最大にして唯一の役割です。
ですが、逆に子どもがやる気をなくしてしまう「NG行動」もありますので、この時期は特に注意しておく必要があります。



こちらの記事に「おうち英語のNG行動」をまとめていますので、この機会にチェックしてみてください。

